クールな御曹司の本性は、溺甘オオカミでした
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翌朝の目覚めはイマイチで、ぐったりと疲れ切っていた。たっぷり寝たのに、疲れがとれてない。
これがストレスってヤツ?それとも年齢的なもの?
重たい身体を引きずりどうにか出社する。はあ、今日は千石くんとも横手さんとも関わらずにいきたい。山根さんが昨日のことを詮索してくるのは避けられないけれど、さらっと流そう。
少し早く到着したオフィスは人もまばらだ。あれ?私のデスクの前にいるのは……。
なんてことだろう。そこには横手さんが腕を組んで仁王立ちしていた。秘書課の彼女が総務部のオフィスにいる。あの険しい表情、明らかに待っているのは私だ。
逃げ出したい。今日は有休取りたい。
しかし、すでにフロアに入ってしまっている私がこそこそ逃げれば、間違いなく見つかる。
その時だ。彼女の目が私を捉えた。
「阿木さん!」
ボリューム大で呼ばれる。お願い、声落として~。
つかつかと近寄ってきた横手さんは鬼の形相。私の両腕をがしっと掴むのだ。
「こうちゃんにチクりましたね!」
チクったと言えばそうだけど、厳密に言えば報告だ。それにチクるという発想は後ろめたいから出る言葉じゃないの?
「ひどいです!こうちゃんの好意を笠に着て、私を悪者にするなんて!」
横手さんがエキサイトしているので、総務部のオフィスは騒然だ。中心人物の私は魂が抜けそうだった。すでにこの出来事が他人事にしか思えなくなっていた。