罪を犯した織姫と、傷を背負った彦星は。


文化祭まであと1週間……。


高校生活最後の文化祭だから。

―――先生と一緒に過ごせる、最後の文化祭だから。

私は、一切手を抜きたくないんだ。

ボールを蹴る音や砂を踏み走る靴音を聞きながら、瞼の裏で文化祭の成功をイメージしていると。


「――――――海野さ、――っ…!」


突然声をかけられ顔を勢いよく上げる。


「はいっ!」


するとコートの近くに立っていた先生が振り返りこちらを向いていた。

その距離は表情が読み取れるほどで、そんなに離れてはいない。

先生は少し驚いたように眉毛をあげ、目を見開いた。そしてすぐに、困ったように眉を寄せた。

え……? 

私今、呼ばれたんだよね……?

「…ごめん、海野。大丈夫か?体調悪い?」

「何がごめんなんですか?体調は全然大丈夫ですよ」


突然誤ってきた先生に私はおかしくて笑ってしまう。

ただ、先生が、私の名前を呼んだだけなのに。


「あ、いや。大丈夫ならいいんだ。体調悪くなったらいつでも言えよ」



< 64 / 64 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

溺愛プレリュード
あかり/著

総文字数/289

恋愛(逆ハー)1ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
私立星歌学園。 ここはアイドル、作詞家、作曲家を目指す さまざまな人たちが集う場所。 校則は基本自由。 ただし、ひとつだけ破ってはいけないものがある。 それは――恋愛禁止ということ。 「ま、恋愛なんてしている暇ないしね。 いつかレイに曲を提供できるぐらい 有名な作曲家にならないといけないんだから……!」 作詞作曲家を目指す 葉波一歌(はなみ いちか)15歳。 × 「お前の曲が春斗気に入った。 俺の専属作曲家になれ」 アイドルを目指す 皇 春斗(すめらぎ はると)15歳 たまたまピアノを弾いていたら アイドル科一の有望イケメンに曲を気に入られた!? 恋愛禁止なのに、甘い言葉をかけてくる春斗に 恋愛初心者の一歌はどきどきが止まらなくて――。 「運命さえも知らない恋を、教えてやるよ」 どうなる!? 私の学園生活——!!
スポーツ科ですけど、何か?
あかり/著

総文字数/0

恋愛(逆ハー)0ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
Q.クラスの男女を代表して  互いの不満を述べて下さい
「星をきみにあげる」
あかり/著

総文字数/4,585

青春・友情7ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「ねえ、星をとってよ」 「無理に決まってるだろ」 彼女は――ルナは何を考えているか分からない人だった。 砂漠のことを金箔の海と言い 花びらが落ちることを花が踊っていると言い 友達がいない僕のことを愉快な人だと言う。 そんな彼女を人は、天才と呼んだ。 「私ね、死ぬんだ」 「……え?」 「だから翔にはもう、会えなくなる」 これは、世界一意味不明で天才な彼女に贈る、僕の物語だ。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop