罪を犯した織姫と、傷を背負った彦星は。
準備体操をして、先生が今日の授業の内容を簡単に説明をする。
普段休み時間に見せる岩崎先生は少しふざけた面もあって、凄く親しみやすく、友達感覚で喋る事が出来るが、授業になるとそれは一転して、“先生”の仮面を被るんだ。
真面目に授業の内容を話す先生。
私は話を真剣に聞くふりをして、岩崎先生をジッと見つめる。
先生は何の食べ物が好きなんだろう。休みの日は何をして、どんな女性が好きなんだろう。なんて、授業とは全く関係のないことを考えてしまう。
サッカーの授業が始まり、私たちクラスの女子はコートの外で見学。
3クラス合同で授業を行っているため、試合はクラス対抗となった。そのため最初は私たちのクラス以外が勝負をすることになったので、私は一花とお喋りに華を咲かす。
「昨日遅くまで文化祭の準備しててさ、家でもいろいろ装飾品作っててあんま寝れなかったんだよね」
「菜々大変だよね。生徒会の仕事もあるのに、クラスの準備まで。大丈夫?」
「うん。なんか朝は平気だったんだけど、お昼ご飯食べた後だからか凄い眠たい……」
体育座りをし、そのまま身体を丸くし俯くように瞼を閉じた。