キミへの想いは、この声で。

それはさっきの順位表で、みんなが言っていたとおり、三位には颯太くん、五位に優乃ちゃん、八位に徳原くんの名前が書いてあった。


自分の順位も確認しておこうと、一番上に視線を持っていく私。


だけど、そこに書いてあった名前を見た瞬間、私の心臓はドクンと飛び跳ねた。


それと同時に息をすることも忘れてしまう。


このカーレースゲームの順位表に出る名前は、ゲーム機を初めて起動させたときにつける名前。


当然それは、持ち主の名前の確率が高い。


このゲーム機の持ち主が、もしも……。


『颯太くん』


震える手で颯太くんと呼ぶ私。


「どうした?茜」


私の呼びかけに、いつもの優しい笑みを見せてくれる彼。


だけど今は、その笑みになにも感じなかった。


『このゲーム機の持ち主は誰?』


「え?あぁ、それは……、ようたのだよ」


その言葉を聞いた瞬間、私の身体はガタガタと震えた。

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