キミへの想いは、この声で。

だって……、そいつの願いは──。


「陽太くん、佐藤さんを傷つけて」


〝俺が茜っちをいじめること〟だったから……。


「陽太くんが佐藤さんをズタズタに傷つけてくれたら、私もいじめはやめる」


「は……?お前、なに言って……」


俺は思わず後ずさりをした。


「あれ?できないの?

まぁ、それなら、いじめをグレードアップさせるけど……」


「……っ。お前、卑怯だぞ」


「ふふ。私は卑怯じゃなくて、かしこいのよ」


クソ……ッ。


どうすりゃいいんだよ。


「……佐藤さんもさ、大勢にいじめられるよりかは、友達ひとりに裏切られたほうがマシなんじゃない?」


耳元で囁く女。


俺はグッと奥歯を食いしばる。

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