キミへの想いは、この声で。
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「颯太ー、帰ろーぜ!」
帰りの挨拶を終えてすぐに、私の隣の席に座る川島くんが、クラスメートの男の子に話しかけられていた。
「おぅ!……あっ」
ランドセルを背負おうとした彼は、一瞬だけ動きを止めると、クルッとこちらを振り返った。
「佐藤さん、また明日!」
片手をあげて、ひらひらと私に向けて振ると、彼は友達のもとへと行ってしまった。
なんで、わざわざ挨拶なんて……。
私は……、返事なんて出来ないのに……。
ランドセルへと視線を落とした私は、そのまましばらく俯いていた。
『俺は、茜っちのこと──』
……っ。
するとなぜか、あの日の出来事が脳裏によみがえってきた。
思い出さない……。
思い出しては、いけない……。
そう、何度も自分に言い聞かせる。
──もう、昔のことだから。
心の中でそう呟くと、私はイスから立ち上がった。
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