チャラめ男子と鈍感女子
周囲を確認しながら、また話しをはじめる。
「でもそれって、ただ結果的にそうなったってだけじゃねぇの?」
「もう~、慎也くんってば。僕が憶測だけで物を言うと思う?」
チッチッチッと人指し指を振りながら言い返してくる翼。
「前の年までの投票結果はすでに僕の手元にあるのさ! 抜かりはないよ!」
なぜコイツの手元にあるのかは聞こうと思わないし、聞きたくない。
俺達の冷たい眼差しを気にすることもなく、話を続ける。
「このデータによると、一年に一番投票が集まった年の結果は踏み倒されてるんだよね」
「じゃあ、もしかして今回も?」
「えみりちゃんが優勝してた可能性は高いと思う...」
その事実にメンバー全員が静まり返る。
それに反するように、周りのざわめきはヒートアップしているように見えた。
司会や実行委員会が、その様子にたじろいでいるようだ。