チャラめ男子と鈍感女子
生徒会室に入るとすでに全員集まっていて、ナッキーが仁王立ちで俺達を待ち構えていた。
「お前ら、今日は遅いじゃないか!」
「す、すみません!」
「ごめんね~? 行きにちょっと引き止められちゃってさぁ」
扉付近でナッキーから説教を受けそうになった俺とエミリーの間に、翼が割り込む。
「まぁまぁ。菜月ちゃんはね? 二人が遅いから心配してたんだよ~…まだ15分しか経ってないのに」
「さ、相模!余計な事を言うな!」
翼の言葉にナッキーの顔は真っ赤に染まる。
「それに今日は仕方ないよ。慎也くんはえみりちゃんのナイトなんだから...」
ね?と俺を見ながら微笑みを浮かべる翼。
エミリーとナッキーは目を合わせながら、二人で首を捻っていた。
翼って生徒会室に居たんだよな?
何で赤羽との事を知って...
いや、コイツに“普通”なんて通用しないのは分かってるし。