チャラめ男子と鈍感女子
「まぁえみりちゃんと慎也くんがケンカしてるのは、生徒会全員が知っているとしてぇ。問題は赤羽耀の事だよね~」
「相変わらず、全部お見通しのようで」
それより生徒会の皆が知ってるとは…
え?
あの天然の麻野っちですら?
「…赤羽には気を付けた方がいい」
突然、翼のおどけていた口調が真剣なものへと変わる。
いつものヘラヘラした顔付きなど全く感じられない。
「赤羽の本当の狙いはお前だ…
えみりちゃんはただの足枷に過ぎない。まぁ、どっちも薄々は気付いているだろうが…」
その言葉に俺はこくりと一回頷いた。
やっぱり俺の感じ取った嫌な雰囲気は間違っていなかったんだな。
「必ず赤羽は行動を起こしてくるはず…だから、注意を怠らないで?」
「分かってる。…えっと、ありがと、な」