チャラめ男子と鈍感女子
「 フン!そんな戯言を言えるのは今のうちだ…アンタは今から俺の女になるんだからな。力ずくで」
その言葉にぐっと怒りが込み上げてくる。
扉を勢いよく開けると、エミリーの手を引く赤羽の胸ぐらを掴んだ。
「てめー、えみりに何しようとしてた!」
俺が現れたからか、驚いた表情を見せる赤羽。
けどそれは少しの間で、いつも俺に向ける不敵な笑みに変わった。
「俺を殴るつもりですか?…殴れるんですか? お家的に厳しいですよね」
「そんなの知るか!お前に関係ないだろ!?」
「やめて下さい!片瀬さん!」
今にも殴りかかりそうな(実際殴るつもりだったけど)俺をエミリーが引き止める。
その声がとても悲しそうに聞こえて…
俺は掴んだ手を離してしまった。