チャラめ男子と鈍感女子


「今日のところは、ここで失礼しますよ…ではまた」



乱れた襟元を正しながら平然とそう言うと、赤羽は屋上を後にしようとする。


追いかけようと前に進もうとしたけれど…


後ろから引っ張られる感覚。


振り向けば、エミリーが俺の服の裾を掴んでいた。



「行かないで、下さい…」



上目遣いでこっちを見上げる彼女に、俺の思考はフリーズ!


そのまま動かず(動けず)、二人して見つめあっていた。





「ごめんなさい、片瀬さん…」


「え?何が?」



しばらく経った頃、いきなりエミリーに頭を下げられた。


何か謝られることされたっけ?


< 200 / 247 >

この作品をシェア

pagetop