チャラめ男子と鈍感女子
戻る途中で、同じテーブルに座るエミリーが見えて立ち止まる。
窓から漏れる木漏れ日に照らされた彼女は、とても綺麗で…
いつもと違う…
言うなれば、ファッションショーの時のような雰囲気を感じる。
「慎也さん…、本、読まれないんですか?」
俺の視線に気付いたのか、こっちを見上げたエミリーが優しく微笑む。
本当。
エミリーは色んな顔を見せてくれて飽きないな…
「慎也さん?」
「あぁ、座る座る!んー、どれ読もうかな~」
エミリーがまた本へと目を向けた瞬間、真ん中に入れていた本を引き抜いた。
ページにはそれぞれの口説き落とし方と、それについての解説が書かれている。