覚悟はいいですか
決戦の木曜ーーーーー
予定の1時間前、私は更衣室にいた
プレゼン用に服を着替える
下着はフランス製のオーダーメイド
紫色のレースとアメジストで飾られたエレガントなもの
スーツはベージュのワンピースとジャケットのセットアップ
ひざ丈のワンピースは胸の下で切り替えになっていて、体のラインがほんのりわかる
ジャケットはノーカラーで前立てにビジューをちりばめ、袖は七分丈、
7㎝ヒールのベージュのストラップ靴に履き替える
サイドで分けた髪を右下にまとめ、ふわっとしたシニヨンにして眼鏡を縁なしに変えた
メイクはアイラインを少し長めにして跳ね、マスカラも重ね付けする
ハイライトをつけ、リップはベージュピンクに変えた
鏡の前に立ち、深呼吸して目を閉じる
目を開け鏡を見つめて、自身にひとつ暗示をかける
「私は華。強く美しい華の剣(つるぎ)
皆の努力の結晶を、この仕事にかけた時間と想いを
余すことなく彼らに伝え、必ず成功に導く
その道を切り拓くための剣となれ」
自分の信じたもののために、今ひとたび、華となる覚悟を決めたーーーーー