DISTOPIA EMPEROR―絶対王者は破滅を命ず―
舌戦、なんて呼ぶには微笑ましすぎるやり取りに、ついに姉貴が噴き出した。
おれも一応は笑うのを我慢してたんだけど、姉貴につられてニヤニヤしてしまう。
「海ちゃんって、だいぶクールそうに見えるのに、けっこうすぐムキになるタイプなんだ。年上のがいいなら、うちの姉貴はどう? 今ならライバルいなくてお買い得だよ」
姉貴がおれの脇腹に肘鉄を突っ込んだ。
「変なこと言わないの。海牙くんを困らせちゃうでしょ」
「姉貴は困んねーんだ?」
「お黙り」
「ぐえっ」
海牙は目を丸くして姉貴を見ていた。
ごめんね、と姉貴が笑顔で取り繕うと、かぶりを振りながら視線をそらす。
照れてやんの。案外ちょろいやつ。
年上が好みって、ガチの本心なんだろう。