DISTOPIA EMPEROR―絶対王者は破滅を命ず―
さて。
おれたち預かり手がまたすぐ集まっちゃうんだろうって予感は、想像していたより早く、現実のものになった。
放課後くらいまでおあずけかなって考えてたんだけど。
黒猫にバイバイしてコンビニを離れて、襄陽学園を取り囲む背の高い塀が視界に入ってきたあたりで、おれたちは足を止めた。
あいつ、と煥がつぶやいた。
グレーの詰襟の海牙は、まるで友達相手にそうするみたいに軽く右手を挙げてみせた。
「おはようございます。ここ、通ると思ったんです」
「どしたの? 学校、サボり?」
「ええ。緊急事態ですよ。学校に行っている場合ではないと、総統から連絡をもらったんです」
海牙の、左右対称に調整された笑みが硬い。
海牙は煥に視線を向けた。
煥は眉間にしわを寄せた。
「何だ?」