DISTOPIA EMPEROR―絶対王者は破滅を命ず―
総統の体はそこそこ鍛えられてる様子で、おっさんなりに引きしまっていた。
その皮膚のところどころに、小さく光る丸いものがぼこぼこと、のめり込んでいる。
目を凝らすまでもない。
ぼこぼこの正体は、宝珠だ。
筋肉の形が見て取れる胸に、腕に。
脂肪がなくストンとした脇腹に、へその上に。
ゆっくりと後ろを向けば、背筋に沿ってびっしりと。
とっさには数えきれないほどの宝珠は、皮膚と滑らかに同化して、鼓動とともにほのかに明滅している。
そこから動かない宝珠もあれば、ぬるりと肌の中に沈んでいって再び浮いてくるもの、循環するようにゆっくりと動いているものもある。