DISTOPIA EMPEROR―絶対王者は破滅を命ず―
「おれさ、嫌いじゃないよ~、きみみたいな子。おもしれーもん。マジで一回、デートしない? 名前、何ていうの?」
「えっ、あ、えっと、平井さよ子っていいますけど、あのっ、デートっていきなりそーいうのは……」
「さよ子ちゃんね。で、もう一人の彼女は?」
おれは帽子の女の子に視線を向けた。彼女はひかえめなえくぼを作った。
「安豊寺鈴蘭《あんぽうじ・すずらん》といいます。さよ子と同じで、襄陽学園高校の一年生。あなたは、先輩、ですよね?」
「あー、自己紹介が遅れたね。ごめんごめん。おれは三年の長江理仁。去年は一年間、外国にバックレてたから、今の二年はおれのこと知らないと思うよ~。
ね、そうでしょ、文徳の弟くん? きみ、名前は、あっきーだっけ?」
水を向けると、煥は眉を逆立てた。