DISTOPIA EMPEROR―絶対王者は破滅を命ず―


もう一人の女の子がおれを見つめていた。


長いまつげの下の巨大なダイヤモンドみたいな両眼で、じっと。



おれは笑ってみせた。



「また会ったね~」


「あっ、ど、どうもこんにちは! じゃなくて、こんばんは! ライヴ聴きに来られてたんですかっ?」


「そーいうこと。おれ、文徳と友達でさ。きみは? ヴォーカリストの銀髪くん狙い?」


「ねねね狙うだなんてそんな滅相もないっていうか恐れ多いっていうか! わたしはただのファンですから!」



ギャップあるなー、この子。


ほっそりした黒髪美少女で、珍しい目の色してて、じっとしてりゃ神秘的な雰囲気なのに、しゃべったら案外にぎやかで、きゃーきゃーしてる。


流行りもののブレスレットなんか付けてさ。



何か笑っちゃうよな。


ふっ、と噴き出したら、両眼胞珠の女の子はパチパチとまばたきをした。


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