大好きな先輩は隠れ御曹司でした
人気の少ないこの資料室が、カップルが社内デートを楽しむ場所になっているという噂を思い出したのだ。
このままでは恋人達の密かな囁きやら何やらを聞いてしまう。
自分の存在をアピールしようと焦った光希だったけれど、立ち上がった時に聞こえてきた声に動きが止まった。
「早く話してよ、麻里子!」
「もぅー、慌てないでよ。それより、ホントにここ、誰もいない?」
「居ないって。だから早くとっておきの岡澤さんの秘密教えてってば」
「麻里子」と呼ばれた女性はきっと、国際営業部の藤末麻里子だろう。光希は、先日聞いたばかりの声と頭の中で符合させる。
このままでは恋人達の密かな囁きやら何やらを聞いてしまう。
自分の存在をアピールしようと焦った光希だったけれど、立ち上がった時に聞こえてきた声に動きが止まった。
「早く話してよ、麻里子!」
「もぅー、慌てないでよ。それより、ホントにここ、誰もいない?」
「居ないって。だから早くとっておきの岡澤さんの秘密教えてってば」
「麻里子」と呼ばれた女性はきっと、国際営業部の藤末麻里子だろう。光希は、先日聞いたばかりの声と頭の中で符合させる。