傷だらけの君は


あたしはそんな状況であっても、沖田さんの身体にもたれかかるようにして目を閉じた。



沖田さんもちゃんと心臓動いてたんだ。


規則正しく打たれている心音がまるで子守唄のように。


いまあたしは、この世界で一番の幸せ者なんじゃないか。


生まれてきてよかった。


あたしのことを産んだ母親の顔は分からないけれど、産んでくれてありがとうって言いたい。



……一度でいいから、本当の両親に会ってみたい。


もし、生きているうちに間に合わなくても。




あたしは意識が遠くなるのを感じつつ、温もりを求めるかのようにその背中に手を回した。



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