傷だらけの君は
おでこに衝撃を受け、目が覚める。
「おはよう。そろそろ暑いんだけど」
あたしは沖田さんに抱きついたまま、今の今まで眠っていたらしい。
「……寝てました?」
「がっつりね」
「ごめんなさい」
沖田さんから離れるとずっと同じ体勢でいたからか、腕が少し痺れていた。
沖田さんはもっと痺れていただろう、悪いことしちゃったな。
「どう?」
「えっと」
「髪」
「髪......」
そうだ、あたし沖田さんに髪を切ってもらってたんだ。
あまりにいい夢を見ていたから、まだ夢心地だった。
はっきりと目が冴えて、あたしはかなり軽くなった頭に手を持っていく。
腰まで伸びていた髪は鎖骨くらいまで切ってくれていた。
手で持ち上げてみても、以前とは比べ物にならないほど軽くて。
沖田さんが渡してくれた鏡をのぞき込む。
そこには映っていたのは自分で、自分じゃなかった。
「……短い」
「え、ごめん。切りすぎた?」
「あ、違うんです!ただ、感動しちゃって。
自分が、自分じゃないみたいで」
「紅は紅だよ」
沖田さんは控えめに笑った。