傷だらけの君は
「紅!」
「おい、俺が聞くって......」
「紅......信じてくれ、俺はお前を本当の娘のように思っていた......本当だ。嘘をついていたのは本当のことを知ったお前に、悲しい思いをさせたくなかったからなんだ!」
こちらへ這ってでもこようとしていた父様は無情にも土方さんの足で阻止される。
周りの人たち、新選組のみんな。
土方さん、沖田さん、......そして父様。
いまここにある全ての視線があたしに集まっていた。
「......わかった、信じるよ "父様" 」
「紅......!」
「だけどこれが最後。もうあなたが何を言ってもあたしは信じない」
信じたくない、信じれない。
だけど......そんな、悲しい顔をさせたいわけじゃなかった。
ねぇ、あたしは......
「本当の家族かなんて、どうでもよかったんだよ......血の繋がりなんて、関係ない。どれだけ貧しくてもあなたと二人で、笑って過ごせたらそれだけでよかったの」
「紅......すまなかった」
もうどれだけ泣かれても、あたしが近くに行くことはない。
それはこの人も承知の上で瞬きすらせず、静かに涙を流していた。
......その涙だけは、本当であればいいな。
あたしは涙をぬぐって、小さく笑った。
「......あたしもあなたのこと、本当の父親のように思ってたよ。
今まで育ててくれて......ありがとう。
さようなら」
もう二度と、あたしの前に現れないで。