傷だらけの君は


考えていることはすべて筒抜けだった。


まるで心の内を読まれているかのよう。


いや、分かってた。分かってたよ。


土方さんはたぶん、あたしに新選組のそういう......物騒なことをあまり話したくない。



会議のときも絶対に近づかないよう言われてるから。

何度も念を押されて、押されて、部屋から閉め出される。


少し前に屯所内で耳にした"芹沢さん"のことだって、何一つ教えてくれなかった。


もちろん土方さんたちの口からその名前を聞くこともなくて。


けれどなんとなく分かる。


芹沢さんの身に何が起きたのか、

土方さんたちがその人に何をしたのか。



「今すぐにでも忘れろよ。分かったな?」


そんなの絶対無理なのに。


土方さんはそれでもあたしに言い聞かせる。



「......はい」


よし、と満足したような土方さんにはまだ聞きたいことがあった。


ずっとずっと疑問に思っていたことがある。


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