傷だらけの君は
傷ついて、痛くて、苦しいかぁ。
たしかに沖田さんの言うとおりだ。
力を使うとき、一瞬でも躊躇してしまえばもう手が震えてしまってどうにもできない。
......けど、
「沖田さん、あたしね、人から感謝されることが何よりも嬉しいんです。ただ一言、ありがとうって言ってもらえることが」
あたしは先の見えない空に手を伸ばす。
すぐに、暖かな何かに包まれた。
「なんであたしはこんな力を授かったんだろうってずっと考えてました。
でも結局答えなんてでなかったし、きっと神様の気まぐれで与えられたものなんだと思います」
あたしは孤児だから、自分の両親に聞くなんてこともできないから。
人より治癒力が優れ、傷を移す力がある自分を異質な存在......町の人の言うとおり、化け物としか見れなかった。
「深く考えることもなく、ただただ自分に傷を移す日々。
あの時のあたしは、はっきりいって息をしているだけの傀儡にすぎませんでした」
ぎゅっと、さっきよりも強く手を包み込まれる。
話を聞いてくれていることに安心してあたしは静かに安堵のため息を吐いた。