傷だらけの君は
「それでも僕は、あんたに無茶してほしくないんだよ」
「沖田さ......」
布団のなかに寝ていたあたしはぐいと引っ張られて、
そのまま倒れ込むように何かに当たった。
「人は脆いんだ。紅が思っているよりも、ずっと。後悔してももう遅いなんてことが、この先あるかもしれない。
いい?その力を使うとは言わない……まあ、なるべく使ってほしくはないけど。
それでも、自分の命を一番に考えろ。無茶な真似は決してするな」
すぐ頭上から沖田さんの声が聞こえる。
「僕よりも、紅には長く生きてほしい」
ここまで苦しそうな沖田さんの声は聞いたことがなかった。
「沖田さん」
「もう少し、このままで」
離れることは許さない、とでもいうように強く抱きしめられて。
......離れるわけないのにな。
(もう、離れられるわけがない。)
震えるその背中に腕をまわす。
いつもあたしの前をいく沖田さんの背中は、思っているよりもずっと細かった。