傷だらけの君は
こうして薬の整理を手伝うのは、今日が初めてではない。
山崎さんのお手伝いをする機会はそれなりにあったから、意識しなくとも薬の種類も覚えてくる。
「山崎さんはなんでお医者様になったんですか?」
「いや、べつに医者ってわけやないで……このなかでは医術や薬学があるほうなだけやから」
そうだったんだ。
隊医ってことかな。
山崎さんはなにか資料に目を通しながら、薬草をすり鉢に入れている。
「でも、そうやなぁ。もし医者やったらもっと救えた命もあるかもな」
「……えっと」
「悪い悪い!そんな顔をさせたかったわけちゃうんや」
治療中に亡くなってしまった隊士たちのことであるのは、すぐに分かった。
医者が屯所に着く前に山崎さんの手の中で息を引き取った隊士さんが、裏の壬生寺に眠っている。
あのときの山崎さんの苦しそうな顔は今でも忘れられない。