傷だらけの君は
ここで過ごした期間はほんの少しだったけど、すべてを見たわけじゃないけど、感じたことが一つある。
ここの人たちはみんな、自由だ。
生き生きしていて、自由だった。
まるであたしとは正反対だな、なんて。
……さて、そろそろお暇しよう。
「それでは、失礼します」
一礼して出ていこうとすると、ぐんと後ろから何かに引っ張られた。
「待て」
あたしの治ったばかりの腕を掴んだのは、
今までずっと黙っていた土方さんだった。