俺が好きって認めれば?【完】
「えっ!?な、に?」





「フォームはこう」





焦る私とは対照的に、恭哉君は冷静な口ぶりでそう告げる。





「このまま前へ手をスーッて出すだけ。分かった?」


「うっ、うん…」





恭哉君の身体が少しだけ、密着する。





そして私と目線を合わせるように屈んでいるため、恭哉君の声が耳元のすぐ近くから聞こえる。





こんなの、変に意識しちゃって、ボーリングに集中できないよ~…!





「なら投げるぞ」





「えっ?恭哉君!?」





恭哉君の手が私の手に添えられ、そのまま一緒にボールを離した。
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