Silver Night-シルバーナイト-



いくらお爺様がいないからって……
そういう問題ではない。だってきっと…誰も私が間宮の家に戻る事など望んでいないんだから。


それはきっと聖も分かってるはず。



それなのにこうして言ってくるって事は……



本当によほど私は聖に心配させてしまっているって事。



「聖…でもそれは…出来ないよ」


「莉愛はそう言うと思ってた。でもお願いだから、俺の為だと思って戻って来て欲しい」


「………聖…」


「俺だって昔のままじゃない、何か言ってくる奴がいても莉愛を守る。昔のようにはさせないよ。だから、俺と一緒に帰ろう」



『帰る』果たしてその言葉が私にとって正しい表現なのか分からない。



だけど、隣でしっかりと私を見つめ強く守ると言ってくれた聖を…いつも心配ばかりかけている聖の為にも…



「…うん、わかった」


間宮の家に戻る決断をしようと、そう思ったんだ。




< 337 / 365 >

この作品をシェア

pagetop