Silver Night-シルバーナイト-
いくらお爺様がいないからって……
そういう問題ではない。だってきっと…誰も私が間宮の家に戻る事など望んでいないんだから。
それはきっと聖も分かってるはず。
それなのにこうして言ってくるって事は……
本当によほど私は聖に心配させてしまっているって事。
「聖…でもそれは…出来ないよ」
「莉愛はそう言うと思ってた。でもお願いだから、俺の為だと思って戻って来て欲しい」
「………聖…」
「俺だって昔のままじゃない、何か言ってくる奴がいても莉愛を守る。昔のようにはさせないよ。だから、俺と一緒に帰ろう」
『帰る』果たしてその言葉が私にとって正しい表現なのか分からない。
だけど、隣でしっかりと私を見つめ強く守ると言ってくれた聖を…いつも心配ばかりかけている聖の為にも…
「…うん、わかった」
間宮の家に戻る決断をしようと、そう思ったんだ。