Silver Night-シルバーナイト-

私の部屋は中庭に面していて、ここからはその様子が良く見える。

季節により華やかに広がる草花は、ここに住んでいた時からの唯一のお気に入りだ。


きっと聖が中庭の見える部屋を選んでくれたんだろう。


今度時間がある時にでも下に行ってみようかな。


こんな何もなくただ無性に穏やかな日はいつぶりだろうか。


これが本来の私の生活なんだ。


みんなと笑ったりご飯を食べたり出かけたり…それこそ以前の私からしたら非日常的だったではないか。


サァーっと冬の冷たい空気が私の頬を刺すように冷やして行く。


私は一度部屋に入りブランケットを持ってくると、もう一度ベランダへ出てそこに置かれていた椅子へと腰をかけた。


皆んなに連絡しないと…


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