Silver Night-シルバーナイト-

私は携帯を開き久しぶりにメールの画面を開くと、いくつかメッセージが来ている事に気がつく。


だけど、それは開かずそのままメールを打ち込んだ。


こんなズルイ私でごめんね。
たくさんの幸せをもらったのに…こんな終わらせ方をしてごめんね。


引っ越す事になって皆んなにはもう会えないという事。

登下校は一人ではしないから心配いらないという事。

そして、今までこんな私に優しくしてくれてありがとうというメッセージを打って


それを梓、琉聖、悠真、佑衣へと一斉送信で送った。


あえて一斉送信で送った。
きっと一人ずつにメッセージを打ってしまったら、電話なんてしてしまったら、まだ皆んなと一緒にいたいと余計な事を言ってしまいそうだから。


そして梓の側にいたいと…そう思ってしまいそうだから。


弱い私でごめんなさい。


ズルイ私を許して欲しいなんて言わないから。


私はこの夢のような世界を抜け出して、元の私に戻る。



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