Silver Night-シルバーナイト-

そんな私に聖は一瞬間を開けた後、軽く口角を上げやさしげに笑うと「もちろん」と言って私の頭へポンっと手を置いた。


やっぱり聖って、年下には見えないな。本当、しっかりしてる。


「でも生徒会ある日は待ってもらう事になるけど」


「大丈夫、図書室で時間潰してるから」


いつも授業が終わったら学校を直ぐ後にする事が多かったから、図書室に行った事は数回しかない。


元々本は好きだし、聖を待つにはちょうど良い。

それにもし、放課後琉聖達がいつもの場所で待っていたら困るから…


引っ越しはしたと言ったけれど、学校が変わったわけではない。


もちろん私の学校を知っている彼らが来ないとはかぎないわけで…


だけど、それも聖といればきっと悠真あたりが接触してくるのは辞めようと言うだろうから。


今は、とてもじゃないけど…彼らに会う事は出来そうにないから。


「明日は特に何もないから莉愛の教室まで迎えに行くよ」


「わかった、待ってるね。ありがとう」


「はいはい、もうお礼は聞き飽きたよ」


イタズラ気に笑う聖は私をからかうようにして目を細めて微笑んだ。

< 351 / 365 >

この作品をシェア

pagetop