Silver Night-シルバーナイト-



その日は結局20時頃家まで送ってもらった。



助手席には悠真、私の隣には琉聖、運転席には来る時も運転してくれていた赤髪のイカツイ兄ちゃん。




梓は私達が倉庫を出る少し前に、何やら電話がかかってきて一人で出て行ってしまった。





「莉愛ちゃん、明日から放課後迎えに行くね」




車から流れるキラキラと光る街並みを見ていると、悠真がこっちへと振り返りながらそう言って何やら小さいクマのキーホルダーを私に手渡した。




「これ、何?」




ゲームセンターのクレーンゲームででも取ったのだろうか。でも正直悠真がクレーンゲームをしているところなんて想像出来ない。琉聖なら分かるけど。




「これはね、小さいGPSが入ってるんだ」



「GPS…」



「帰りは迎えに行くけど、朝は女の子だし色々準備とかあるでしょ?俺らが待ってると莉愛ちゃんも困っちゃうと思うし、それに黒雅も人の多い朝は手を出して来ないと思う。でも万が一のために一応これを付けてて欲しいんだ」




なるほど…悠真のはからいは、とてもスマートで優しくて、本当に紳士的だ。




「分かった、ありがとう」




「いつも身につけてるモノに付けておいてね」



「うーん、じゃあ携帯とかかな?」




「そうだね、それが良いと思う」




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