冷徹皇太子の溺愛からは逃げられない
「殿下は何て……?」

「一時の気の迷いではなく真剣だ、どんなことがあっても彼女を諦めない、もし認めてもらえないなら今すぐここで斬り捨ててくれ、と。……子供だと思っていたが、いつの間にか大人としての気概が備わってきたんだな。あいつに“男”を見せられるとは思ってもいなかった」

 ウィルフレッドが、フッと少しだけ口角を上げる。

「だったら俺もそれに真剣に応えてやるしかない。父に嘆願して、セオドールの処遇を認めてもらえるようにする」

「ウォルはそれでいいの? ……ずっと、セオドール様が王位を継げるよう、頑張ってきたのに」

「そうだな……気が抜けた、というのが正直なところだが、また一から気持ちを入れ直して今後を考えていこうと思っている。それよりも、セオドールの決心を今は大事にしてやりたい。お前が俺でも、きっとそうするだろう?」

「ええ……そうね」

 フィラーナも微笑むと、ウォルフレッドの肩に頭を預けて目を閉じた。

 いつかルイーズとセオドールが手を取り合い、心から笑える日が来ることを強く願ってーー。
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