冷徹皇太子の溺愛からは逃げられない
*
後日、セオドールはひとまず臣籍降下が認められ、王族の身分を離れることになった。王宮を出て、これから本格的に絵の勉強に勤しむことになる。
セオドールとの別れを経て王宮は心なしか静かになったように感じるが、フィラーナを取り巻く環境は慌ただしく変化し、悲しみに暮れる暇もないほど忙しくなった。
王太子妃として、フィラーナが正式決定したのである。セオドールがいなくなったことで、ウォルフレッドはいずれ父王から王位を受け継ぎ、国を統べ、民を率いる決意を新たにしたのだ。国家と王家繁栄のため、婚姻は避けては通れぬ道である。そして、フィラーナひと筋のウォルフレッドが、彼女以外を選ぶはずもなかった。
自分が王太子妃になるなど考えてもいなかったフィラーナだったが、彼の新たな志を知り、そばで支えることを決心したのだ。
結婚式まであと三ヶ月。それまでにフィラーナは王太子妃としての、いずれは王妃としての素質と教養を身につけねばならず、外国語、ダンス、立ち振る舞い方、歴史などあらゆる勉強に励まなくてはならなくなった。
「ああ、朝からずっとじゃ鬱憤が溜まるわ……。たまには、思いきり剣を振って発散したい!」
「いけませんよ、フィラーナ様。その玉のようなお肌が傷ついたら、いかがされるおつもりなのです」
と、メリッサに窘められることもしばしばである。それでも、持ち前のやる気と勉学や知識に対する好奇心で、フィラーナ自身もいつの間にか、“王太子妃教育”に楽しみながらのめり込んでいるのだった。
後日、セオドールはひとまず臣籍降下が認められ、王族の身分を離れることになった。王宮を出て、これから本格的に絵の勉強に勤しむことになる。
セオドールとの別れを経て王宮は心なしか静かになったように感じるが、フィラーナを取り巻く環境は慌ただしく変化し、悲しみに暮れる暇もないほど忙しくなった。
王太子妃として、フィラーナが正式決定したのである。セオドールがいなくなったことで、ウォルフレッドはいずれ父王から王位を受け継ぎ、国を統べ、民を率いる決意を新たにしたのだ。国家と王家繁栄のため、婚姻は避けては通れぬ道である。そして、フィラーナひと筋のウォルフレッドが、彼女以外を選ぶはずもなかった。
自分が王太子妃になるなど考えてもいなかったフィラーナだったが、彼の新たな志を知り、そばで支えることを決心したのだ。
結婚式まであと三ヶ月。それまでにフィラーナは王太子妃としての、いずれは王妃としての素質と教養を身につけねばならず、外国語、ダンス、立ち振る舞い方、歴史などあらゆる勉強に励まなくてはならなくなった。
「ああ、朝からずっとじゃ鬱憤が溜まるわ……。たまには、思いきり剣を振って発散したい!」
「いけませんよ、フィラーナ様。その玉のようなお肌が傷ついたら、いかがされるおつもりなのです」
と、メリッサに窘められることもしばしばである。それでも、持ち前のやる気と勉学や知識に対する好奇心で、フィラーナ自身もいつの間にか、“王太子妃教育”に楽しみながらのめり込んでいるのだった。