冷徹皇太子の溺愛からは逃げられない
 ウォルフレッドは腕を離し、フィラーナの正面に向き直った。

「これから様々な困難が待ち受けていると思う。だが、お前がいれば俺はいつでも強くなれる。これからは、こんな俺をそばで支えてほしい」

 真剣な眼差しに、フィラーナは目を逸らすことが出来ない。

「俺はいずれこの国の王となり、民の父となる。だが、お前とふたりでいる時は、俺はただの男だ。俺の心も身体もすべて、お前だけのものだ。全身全霊をかけて、お前を守り抜くことを誓う」


 ウォルフレッドは、彼女の白い手をそっとすくい上げると甲に優しいキスを落した。

「明日、神に誓う前に、お前に誓いたかった」

「ウォル……」

 フィラーナの中に熱いものが込み上げ、胸が甘く締め付けられる。

「私も……あなたたけを一生愛し抜くことを誓います……!」

 こぼれそうになる涙を抑え、フィラーナは満面の笑みで、愛しい人の胸に飛び込んだ。

 これから何があっても、ずっとそばにいる。

 あなたとなら、どんな困難でも乗り越えられる。

 ふたりは熱い口づけを交わし、幸せそうに微笑んだ。







 のちに王位を受け継いだウォルフレッドは、その後数百年続くスフォルツァ王国の平和と繁栄の基礎を築いた賢王として、フィラーナはその治世を支えた慈悲深く勇敢な王妃として、歴史に名を刻むことになるのだが、それはまだずっと先の、未来の話ーー。





【完】



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