困難な初恋
6.絶望
俺がこれまでゲームと称して傷つけてきた子たちは、
その後どんな日々を過ごしていたんだろうか。
電車の窓から流れる景色を見ながら、そんなことを考えた。

寝る前、起きた後、食事をしている時、
どんな場面でも、秋葉の信用を失ったという事実がのしかかる。

あの告白の日から、1ヶ月が過ぎていた。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

その後、秋葉とは付き合う前、いや、むしろ出会う前よりもひどい関係になってしまった。

以前は朝、同じエレベーターに乗り、こちらに気付けば微笑んでくれた。
付き合う前ですら、廊下ですれ違った時にはぺこりと挨拶を返してくれた。

それが今では・・・

おそらく、あまり考えたくはないが、
顔を合わすことすら避けられている。
遠くに秋葉を見つけても、すれ違う前にどこかにいってしまう。

あんなに、心を許してくれたのに。

毎日が灰色になったようだった。
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