【2025.番外編&全編再掲載】甘い罠に溺れたら

「おかえりなさい」
いつの間にか、オートロックの番号も覚え、当たり前のように家のインターホンを押すようになった部長の存在が私の生活の中になじんでしまった。

「ただいま。あー疲れた」

そう言って私をギュッと抱き寄せて、「充電」そういって大きく息を吐きだす部長を、私も抱きしめたい気持ちを押さえて、ポンポンと背中を叩いて、「お疲れ様です」と声をかける。

この「充電」を始めたときは戸惑ったが、『なんか落ち着くから。減らないしいいだろ?』そう言われ、なし崩しに毎回の日課のようになってしまった。

抱きしめるという行為が日常化してから、キスや、体の関係はもちろんないが、スキンシップが増えたように思う。


「もう少しでできます。少し待っていてください」
連絡がきてから、到着するまで、今日はあまり時間が空いていなかったことから、パタパタと私は用意をしていた。
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