【2025.番外編&全編再掲載】甘い罠に溺れたら
「なあ、シャワー借りてもいい?俺今日電車乗るために走って、汗臭い」
そう言いながら、部長はネクタイをとって自分のシャツの第一ボタンをはずすと、クンクンとにおいをかいだ。
そんな仕草すら色っぽくて、ドキッとして私はそれをごまかすように、目をそらして返事をした。
「はいはい、どうぞ。タオルは適当に使ってください!」
「サンキュー、入って来るな」
とうとうシャワーまで入って行く部長に、内心ため息をつきながら、私は料理を盛り付ける。
「あ、そこにさあ」
そう言ってバスルームからタオルだけ下半身に巻いて出てきた部長の姿に、私は真っ赤になって狼狽した。
「なに?俺の裸久しぶりに見て照れてる?」
少し挑発するようにいって、そのままキッチンの私のところに来ると、ジッと私を見下ろした。