【2025.番外編&全編再掲載】甘い罠に溺れたら
「沙耶も、一緒にいたいっていってくれたじゃないか。俺の事まだ許せない?」
更にギュッと力いっぱい抱きしめられ、苦しくて部長の背中を軽くたたく。
「苦しい……」
「悪い……」
力を緩めると、部長は私の顔を見つめた。
「沙耶、好きだ。ずっとずっと、昔も、そして再会してもやっぱり俺には沙耶しかいない。俺は5年前沙耶を裏切ったりしてないだから……」
言葉を一度止めると、部長はゆっくりと言葉をつづけた。
「一緒にいたいって思ってくれるなら、あの時の俺を許して。水田より俺を選んで」
水田先輩?何をいってるんだろ?
「結婚……」
しないの?
そう聞こうとしたところで、青ざめた部長の顔が目に入る。
なによ。やっぱり。
そう思ったところで、部長は私を離すとそっと距離を置いた。
「結婚するのか?」
「え?」
何を言ってるのだろう?
「相手は?水田?」
どうして水田先輩から離れてくれないのかわからないが、泣きすぎて、嗚咽が止まらない中で、私はやっとのことで、言葉を発した。
「結婚するんでしょ?」