【2025.番外編&全編再掲載】甘い罠に溺れたら


「部長こそ結婚するって……宝生さんが」

「なんでその名前を知ってるんだ?!」
心底驚いた表情に、この人はなにも知らないのだろうと確信した。

「今日、会社に来ました。結婚するからそろそろ遊びはやめてほしいって……」

「まさか……」
呆然とした表情で、その事実を受け入れているように見えた。

「大切な人なんですよね?」
私の言葉に、反射的に部長は私をみると、大きな声で否定の言葉を発した。

「お前が考えるような関係じゃない!」

「でも、あの時もいた……」
視線を外してそう言った私に、部長は小さくため息をついた。

「あの時は、沙耶の裏切りが許せなくて、日名子が別れる手伝いをしてくれるって……」
そこまで言って、部長は言葉を止めた。

「まさか……全部日名子か?」

「じゃあ、結婚も考えてないし、私に言えないから彼女に言ってもらうように頼んでもないんですか?」
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