【2025.番外編&全編再掲載】甘い罠に溺れたら

「だって、お前めちゃ飲んでただろ?ずっと気になってて……」
ああ、女の人に囲まれながらも、気にしていてくれたことが嬉しくて、つい口元がゆるむ。

「おい、そんなに抱きしめられたのがうれしいのか?」
怒ったように言った部長に、慌てて私は首を振った。

「あの時、私のことなんて気にせずお姉さんたちと楽しくやってるのかなって思ってたから、気にしてくれてて嬉しいなって……」

「でもお前は水田に……」

「あの後ちゃんとすぐに拒否しましたよ」
そう言った私を、また抱き寄せると、「あーあ、俺の沙耶を触りやがって……」昔のように素直に伝えられる言葉が心地よくて、部長の胸のかでホッと息を吐く。

「沙耶?……沙耶?眠たい?」
そんな部長の言葉が、心地よく子守歌のようで、泣き疲れた私はゆっくりと意識を手放した。

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