【2025.番外編&全編再掲載】甘い罠に溺れたら
「昔みたいに呼んで?」
一緒にシーツの中に潜ると、部長は私をジッと見つめた。
「え……っと。ゆうご……さん」
「なんで?」
さん付けにした私に不満そうに、部長は声を出した。
「なんか、あの頃どうして私呼び捨てにできてたんですかね?上司部下の関係になって、なんか呼び捨てって……」
言い訳のようにいった私に、部長はムッとした表情を崩さない。
「じゃあ、優悟……君?は?」
そう言った私に、なぜか部長もとい、優悟君は嬉しそうに微笑んだ。
「なんか、いいな。優悟君て。新鮮だし沙耶がかわいいし……」
もう、甘々復活で戸惑う私に、これでもかと言っていいほど優悟君は甘やかす。
「あの時傷つけた分、俺は沙耶を甘やかすから」
すでに宣言をしてしまった、優悟君に私もギュッと抱き着いた。
「私も優悟君を甘やかすからね」
そう言うと、優悟君は嬉しそうに微笑んだ。