【2025.番外編&全編再掲載】甘い罠に溺れたら
「あの頃とは違うからあまり見ないで……」
羞恥で全身真っ赤になっていると思う。そんな私を何も言わず優悟君はジッと見つめた。
「きれいだよ」
優悟君だから許されそうな、その言葉に私はもうどうしていいかわからなかった。
恥ずかしいし、でも大好きな優悟君が目の前にいるし。
どうしていいかわからず私は、優悟君の頭を引き寄せた。
「もう、触れて……」
「沙耶……お前本当に……どうしてそんな天然に俺を煽るの?」
その言葉の意味など分からないが、久しぶりに触れる肌と肌の感触に、なぜか泣きたくなる。
ようやく、本当にこの人のところに戻ってきたような気がする。
「ごめん、久しぶりの沙耶に優しくしたかったけど……余裕ないかもしれない」
強く抱きしめながらその言葉に、私ギュッと抱きしめ返した。
「優しくしなくていい……。優悟君の好きにして」
その言葉に、優悟君は「ああ、……もうお前って」そう耳元で呟いたと思ったら激しく唇がふさがれた。
「……んんっ……!」
全身に降り注ぐ優悟君のキスと、手の熱に私はもう何も考えることなどできず、ただ優悟君に翻弄された。
あの頃と同じように優しくて、でもあの頃よりもっと熱いそんな感覚だった。
「沙耶、好きだよ……」
ずっと呟かれるその言葉を聞きながら、私は優悟君へ溺れていった。