【2025.番外編&全編再掲載】甘い罠に溺れたら
「また遊ばれていないってどうして言い切れるの?プロポーズもされていないんでしょ?」
確かに一生いてくれとか、ずっと一緒だよと言ってくれるけど、結婚の約束をしているわけではない。
黙っている私に、お母さんは小さく息を吐くと、立ち上がった。
「この話はここでいいわ。せっかく帰ってきたんだしゆっくりしなさい」
そう言ってお母さんはお父さんのところへと行ってしまった。
スマホを開くと優悟君かオーストラリアの海の写真と、早く会いたい。実家は楽しんでる?の文字が浮かび上がる。
優悟君……。
ここでも前途多難だよ……。
そんな事を言えるわけもなく、私の家から見える景色を送る。
あーあ。
泣きたくなるのをギュッと我慢すると、縁側からじっと海を眺め続けた。