【2025.番外編&全編再掲載】甘い罠に溺れたら

優悟君はすぐに真顔になると、両親の方を向いて頭を下げた。

「お嬢さんをください。全身全霊をかけて守ります。しがらみの多い世界で苦労を掛けるかもしれません、それでも2人で生きていきたいと思っています。お願いします」

その言葉に、私も頭を下げた。

「お父さん、お母さんたくさん心配をかけてごめんなさい。でも、5年前も、今も私にはこの人だけなの。たった一人の人なの。お願いします。認めてください」

しばらくの沈黙の後、二人が大きく息を吐くのが分かった。

「顔をあげてください」
その言葉に、ゆっくりと顔を上げた。

「沙耶を、娘をよろしくお願いします」
そう言って頭を下げてくれた、お父さんとお母さんに、私は涙がこぼれた。

「はい。ありがとうございます」
もう一度頭を下げた優悟君と、許してくれた両親に、私は感謝の気持ちでいっぱいだった。

それから一緒に昼食をと食事をするうちに、本来の優悟君の人柄が分かったようで、お父さんもお母さんも楽しそうに優悟君と話をしていた。

「勝手なイメージでごめんなさいね。優悟君はいい所のおぼっちゃんって感じがしないわね」

「大学時代もバイトばかりしてました」
そんな昔の話で盛り上がるのを、私は幸せな気持ちで見ていた。

「また次回はゆっくりお邪魔します」
にこやかに言った優悟君に、私もお父さんとお母さんを見た。

「沙耶、しっかり支えるのよ」
お母さんの言葉に、私も力ずよく頷いた。
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