【2025.番外編&全編再掲載】甘い罠に溺れたら


「それに、俺のことばかりじゃなくて、沙耶は大丈夫か? 結婚式の準備もほとんど任せっぱなしでごめん」

やはり親父の会社に入ってから時間を取れず、沙耶がほとんど準備をしてくれている。

「大丈夫だよ。両親たちも手伝ってくれてるし」

気にしなくて大丈夫。そう言ってくれる沙耶に甘えっぱなしだ。

「でも、ドレスはなかなか決まらないの」

小さく息を吐きながら、沙耶がつぶやく。

「写真見せてくれればいいのに」

沙耶は何度かドレスの試着に行っているのに、一向にその写真を見せてくれない。

「ダメ。当日まで楽しみにしてて。最近、髪もようやく伸びてきたし」

そう言いながら、沙耶は自分の髪に触れた。
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