【2025.番外編&全編再掲載】甘い罠に溺れたら


Side 沙耶
「素敵……」

私は急遽旅行に連れてきてもらい、目の前に現れたリゾートホテルに目を奪われた。
都内から2時間ほどで着いた、海が見える別世界のようなこの場所に、思わずため息が漏れる。

立派なエントランスを抜けると、敷地にはたくさんの緑の木々があり、そして少し歩けば、美しい白い建物が見える。

エントランスに車を停めると、にこやかなスタッフが出迎えてくれた。

「佐伯常務、お待ちしておりました」

私は一度も来たことがないが、佐伯グループが所有している場所だということだけは知っている。
もちろん、常務が来ることは事前に知らされているはずだ。

「かしこまったことはいいから」

優悟くんは苦笑しつつ、スタッフに声をかける。すると、奥から少し年配の男性が現れた。

「優悟様、ご無沙汰しております」
「支配人、お世話になります」

いつもの優悟くんとは比べ物にならないほど、余裕と自信を兼ね備えたように見える彼に、
やはり生まれ持っての御曹司であることを認識せずにはいられない。
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