【2025.番外編&全編再掲載】甘い罠に溺れたら
「お嬢様も、ごゆっくりしていってください」
綺麗な所作でお辞儀をされ、私も慌てて頭を下げる。
「よろしくお願いいたします」
小さいころに会った話などをしながら、チェックインをすることもなく、そのまま部屋へと案内される。
最上階のそこは、疑うことなくスイートルームで、まず大きな玄関を抜けると、広いリビングがあり、その奥には広いテラス、そして海が見えた。
「すごい……」
感嘆の声が漏れた私を見ながら、優悟くんは支配人に声をかける。
「ここで大丈夫です。ありがとうございます」
その声に、支配人も心得ているようで、小さく頷くと「失礼します」と部屋を出て行った。
「沙耶」
はしゃぎながらテラスに出て、海を見ていた私だったが、その声に振り返る。