【2025.番外編&全編再掲載】甘い罠に溺れたら

「信じてるよ。だって、アレンさんもマリカさんのこと、好きだよね?」

「こんなすぐに沙耶でもわかるのに、マリカにはなんでわからないんだ?」
優吾君はぼやくように言って、髪をかき上げる。
今思えば、私への誘惑は完全にマリカさんのための言葉だったとわかるし、彼の視線の先にはいつもマリカさんがいたと思う。
「今回も、あの二人のいざこざに巻き込まれるかと思ったら、ついあんな態度に。アレンも沙耶にちょっかいをかけるし……」
最後は愚痴のように言い出した優吾君に、私は笑顔を向けた。
「お互い難しい立場だけど、うまくいくといいね」
そう言った私に、優吾君は大好きな笑顔を浮かべてキスをする。
「俺は沙耶と幸せになれればいいけどな」
そう言って、もう一度、私たちはどちらからともなくキスをした。
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